古民家を二世帯住宅にリフォームする際、多くの方は「リフォームしても長く住めないのでは」と気になっているのではないでしょうか。
結論から述べると、築50年以上の住宅や築100年以上の古民家でも、適切なリフォームと維持管理を行えば、住み続けることが可能です。
この記事では、古民家の二世帯住宅へのリフォームについて、実例を含めて詳しく解説していきます。二世帯での暮らしを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
二世帯住宅にリフォームした古民家は後何年住める?
実は、古民家を二世帯住宅にリフォームした場合、適切なリフォームと維持管理を行えば、100年以上住み続けることが十分可能です。
多くの方は「木造住宅の寿命は20~30年」という認識かもしれません。しかしこれは建物の法定耐用年数(木造で22年)と実際の寿命を混同してしまうことから生まれる誤解です。法定耐用年数とは、あくまでも税務上の減価償却を計算するための期間で、建物の実際の寿命とは異なります。
そもそも古民家は、地域の気候に適した良質な木材を厳選して建てられていることが多いです。時を経るごとに空気や湿度に順応し、その土地に合った強度を獲得していきます。そのため、築100年を超える古民家でも、適切なメンテナンスが行われていれば、十分な強度を保っていることがほとんどです。実際、築50年以上の住宅や築100年以上になる住宅をリフォームして住み続けているケースは少なくありません。
ただし、何も手入れをせずに放置していては、いかに良質な木材を使用していても劣化していきます。古民家を長く保つためには、雨漏りや湿気による木材の劣化防止、白アリなどの害虫対策、基礎や土台の状態確認、屋根や外壁のメンテナンスなど、定期的な点検と適切な補修が欠かせません。
古民家を二世帯住宅にリフォームするときのポイント
古民家二世帯住宅へのリフォームを成功させるには、家族それぞれの生活スタイルに合わせて計画することが大切です。とくに古民家の場合は、既存の構造を活かしながら、現代の暮らしに合わせた空間づくりが求められます。
間取りの種類と特徴を把握して最適なものを選ぶ
二世帯住宅の間取りは、「完全同居型」「部分共有型」「完全分離型」の3つに分けられます。
完全同居型は、寝室以外の生活空間を家族で共有する間取りです。リビングやキッチン、水回りなどを共有することで、自然に家族同士の交流が生まれるのがメリットになります。さらに、建築コストも抑えられますが、生活リズムの違いによって摩擦が起きやすい点には注意が必要です。
部分共有型は、玄関は共有しながら水回りや居住空間を分ける間取りです。家族間で適度に距離を保ちたい方に向いています。共有スペースと独立スペースのバランスが取れているため、3つの間取りの中で比較的人気な間取りです。
完全分離型は、それぞれの世帯が独立した生活を送ることができる間取りです。玄関から水回りまですべての設備を分けることで、プライバシーを確保しやすくなっています。ただし、設備が2つずつ必要になるため、広いスペースと相応の費用が必要です。
このように、それぞれの間取りの種類には特徴があります。古民家をリフォームしてから後悔しないように、家族のライフスタイルに合った最適な間取りを選びましょう。
プライベートな空間を確保する
二世帯で暮らすとはいえ、それぞれの世帯が別々の家庭であることを忘れてはいけません。どれだけ仲が良い家族であっても、世帯ごとのプライベートな生活空間を確保することは、長く一緒に住むために重要なポイントとなります。
もし、完全同居型の間取りを選ぶ場合は、それぞれの世帯に個室やくつろげる空間を設けることが大切です。たとえば、共有のリビングとは別に、各世帯専用のリビングスペースを確保しておけば、ライフスタイルの違いに対応できるでしょう。
それぞれの世帯のライフスタイルを考慮して間取りや動線を作る
二世帯住宅では、子世帯と親世帯で主な活動時間帯が異なることがほとんどです。朝の慌ただしい時間帯に家族の動線がぶつかったり、生活音が気になったりすることは、ストレスの原因となります。
とくに家事をする場所は注意が必要です。それぞれの世帯が同時に家事をする可能性を考えて、キッチンやランドリースペースは余裕のある広さを確保するとよいです。使用時間帯や作業の流れを家族で話し合い、必要に応じてキッチンや物干し場を世帯ごとに設けることも検討するとよいでしょう。
古民家を二世帯住宅にリフォームした事例
ここからは、実際に古民家を二世帯住宅にリフォームした5つの事例を見ていきましょう。
事例1. 既存を活かした古民家風和モダン
この施工事例は、ダイニングと台所が孤立し、家族とのコミュニケーションが取りにくいという課題からスタートしました。また、将来的な車椅子での生活も視野に入れた改修が必要でした。
リフォーム前は枠の内や柱など、古民家ならではの良さを持ちながらも、現代の生活スタイルには合わなくなっていました。とくに、家族が集まるスペースと水回りが離れているため、自然な交流が生まれにくくなっていたのです。
そこでリフォームでは、古民家の伝統的な"枠の内"を活かしながら、対面式キッチンの導入や広々としたダイニングの設置により、家族のコミュニケーションを重視した空間へと変貌させました。さらに、特注の洗面台や落ち着いた色調の内装にしたことで、家族全員が快適に過ごせる住まいとなっています。
事例2. 蔵のリフォームで猫も快適に暮らせる住まいに
出典:https://www.ishitomo-reform.co.jp/renovation/case/details_009.html
この施工事例は、アパートで猫2匹と暮らしていたお施主様が、お子さんの誕生をきっかけにスタートし、実家の使用していない部屋と農機具置き場の蔵を改修することになりました。
リフォーム前は、蔵の耐震性や性能面に不安があり、収納スペースも限られていました。しかし、蔵のもつ趣を活かしながらリフォームしたことで、現代に合ったモダンでおしゃれな空間となり、耐震性能の向上や収納スペースの拡充が実現。さらに、猫との暮らしを考慮してキャットステップやキャットウォークを設置したことで、家族全員が快適に過ごせる空間となっています。
事例3. 耐熱性や耐震性にもこだわった実家リフォーム
この施工事例は、一人暮らしをしていたお施主様のお母様の住宅を二世帯でリフォームしたいという息子さんの想いから始まりました。築60年以上の住宅だったため、冬場の寒さや古い間取りに悩まされていました。リフォーム前は断熱性能も低く、使いづらい間取りとなっていたのです。
そこで、お子さんが大きくなっても住み継いでいけるよう、耐震や断熱等、見えないところまでこだわったリフォームを計画しました。
その結果、子世帯側は白を基調とした明るい空間になり、親世帯側は黒と濃い木目を組み合わせた落ち着いた空間に生まれ変わりました。二世帯それぞれの好みを活かしながら、共有スペースも確保することで、快適な二世帯生活が実現しています。
事例4.収納スペースの拡充に成功した子世帯リフォーム
出典:https://www.ishitomo-reform.co.jp/renovation/case/details_032.html
この施工事例は、3年前に1階の生活空間をリフォームしていた住宅の2階を、お施主様のお孫さんの誕生をきっかけに息子さん世帯の生活空間として改修したものです。
リフォーム前は収納スペースが不足しており、二世帯での生活に不安がありました。息子さんご夫婦が生活しやすいよう、新たな水回りを作るだけではなく、コンパクトで使いやすい収納と動線の確保が必要でした。
そこで、キッチン近くにはパントリーを設置し、リビングと寝室の間にはリビングポケットと呼ばれる大容量の収納スペースを確保。さらに、将来的な生活の変化も考慮に入れ、可変性のある空間を実現しています。
事例5.築50年の古民家を二世帯住宅へ
出典:https://www.ishitomo-reform.co.jp/renovation/case/details_020.html
この施工事例は、家族が増えることをきっかけに始まりました。築50年で老朽化が進み、近くの河川による床下浸水の被害で床の傷みも深刻でした。しかし、長年住み継いだ家への愛着から、できれば建て替えではなくリフォームを希望されていました。
リフォーム前は、親世帯との同居で手狭になり部屋数が不足していました。さらに、子供部屋の確保や駐車スペースの問題など、多くの課題を抱えていました。
しかしリフォームによって、あらゆる課題を解決しました。特筆すべきは、仕切りを取り去ったことで広い空間となり、明るく風通しの良いLDK。その結果、それぞれの世帯が快適に過ごせるようになっています。
古民家の二世帯住宅へのリフォームは実績が豊富な業者に相談しよう
古民家の二世帯リフォームは、一般的な住宅のリフォームとは異なる専門的な知識と経験が必要です。なぜなら、補強方法や耐震性の確保、断熱性能の向上など、技術的な課題が多く存在するためです。
そのため、古民家の二世帯リフォームを検討する際は、実績やノウハウが豊富な業者選びが重要になります。実際の施工事例を確認し、過去の実績や対応力を見極めることで、安心して依頼できる業者を見つけることができるはずです。
まとめ
古民家の二世帯リフォームは、適切なリフォームと維持管理をすることで、100年以上の長期にわたって住み続けることができます。
このリフォームを成功させるには、間取り選びやプライバシーの確保、生活動線の設計など、さまざまな要素を慎重に検討することです。
とくに重要なのは、古民家の趣を活かしながらも現代の暮らしに適合させる技術をもった業者選びです。そんな業者を探している方は、ぜひ石友リフォームサービスにご相談ください。
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