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築年数別にみるお家のチェック~今、健康診断に例えたら○○!!~[Vol.904]
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2023.10.20

築年数別にみるお家のチェック~今、健康診断に例えたら○○!!~[Vol.904]

みなさん、こんにちは!
今回のコラムは、築年数別にみるお家のチェックというお話です。


今、みなさんは健康診断をされていますか?


20代や30代の方なら「異常なし」という、ほぼ「健康」な状態を保っておられるかたが、多いと思いますが、なかにはいくつかの項目に引っかかって「再検査」を受ける方もあるかもしれません。そして、40代や50代の方になると、その程度や数量が比較的、増えてきて、その後、何も手をつけずにいると、回復するのがかなり遅くなったりして、時間や体力を奪われる恐れがあります。


それに似た状況が、お家にもあてはまります。


健康な状態を、長く保てるならば、お家のチェックをお勧めしますし、状況などにあわせて、「手当て」で済ませることもできますので、専門的なアドバイスをお勧めします。


そんななかで、入口にあてはまる、お家の年齢=築年数を知って、ある程度の予想が経つのと次の「手当て」がわかってきます。


今日はそんな、築年数によるお家のチェック方法をいくつかご紹介します。


まずは、よく点検する箇所がお家全体で大きく3つの項目にわかれます。
① 構造躯体(基礎、土台、床・床組み(※1)、軸組み(※2)、小屋組み(※3))
② 屋根・外壁・開口部(屋根、外壁、雨樋、軒裏、開口部、バルコニー、天井・内壁)
③ 設備(配管設備)


※1 木造建築物の床面を支え、その荷重を下部の基礎や柱に伝える骨組みのこと。
※2 柱、梁、桁、筋交い、土台などで構成される骨組みのこと。
※3 屋根を支えるために設けた骨組みのこと。


これらの3つの項目ごとに築年数では、どのような傾向があるのかを表したいと思います。



新築してから築5年~10年程

築5年~10年程

まずは、新築して、皆さんウキウキ感、ワクワク感があふれているころから、思い出してください。毎日が楽しい時期ですよね!仕上がりにもこだわっておられると、なおさらです。


見た目にも、新しさを感じ「さあ、頑張って仕事にいってくるぞ!」と気持ちもノッテくるときです。


そんな時期から5年程たちますと、生活感がでてきて、お家のインテリアなどは興味があり続けますが、建てた家のことは徐々に薄れていくのではないでしょうか。
そんななかで、始めてほしいのが、お家のチェックです。


この時期から点検して、「何かあるのか?」と疑問に思われるかもしれません。
だけど万が一あるかも、ということと、この後何年も続くお家の健康チェックというつもりで、その習慣を身に着ければ、良いかと思います。


①構造躯体

木造住宅を腐朽や劣化から防ぐとしたら、まずは、木材が、水分のかからない乾いた環境にすることが大事です。構造躯体は床下、壁面、天井裏に施される重要な部材なので特に注意が必要です。


■基礎

ひび割れや換気口、蟻道などが主な点検項目です。この頃は、自然災害や地震の後に年1回程度の外周まわりを目視して確認したらよいです。

テレビでみる、before‐afterの番組では、大幅な改修のきっかけが、基礎に問題あり、ということがありましたが、この時期から確認しているとそんな問題はおきません。
ただし、基礎より下の地面の地盤改良など対策がない場合は注意が必要です。

補修方法としては、基礎にひび割れがあった場合に、簡単にエポキシ樹脂(塗布するもの)で固定するか、場合によっては、アラミド繊維シートをひび割れに貼って、頑丈にする、といった方法があります。状況判断によって選択すればよいかと思います。


■土台

木材の状況(基礎とのズレ、欠損など)、湿気、シロアリなどが主な点検項目です。この頃は、心配のもとはほぼないと思いますが、年1回程度、目視して確認したら安心です。


■床・床組み

木材・金物の状況、湿気など腐朽、傾斜、床なり(床のきしみ)などが主な点検項目です。この頃は、年1回程度、床下点検口からのぞける範囲で確認されれば良いです。


■軸組み

傾斜、断面欠損、腐朽・蟻害などが主な点検項目です。この頃は、年1回程度、天井点検口からのぞける範囲で確認されれば良いです。付け加えて、点検のタイミングで良いので、天井点検口から見える上水道など水漏れしていないかを、音がするかで確認すると良いです。


■小屋組み

雨漏りなどの跡、小屋組みの接合部のわれ等が主な点検項目です。この頃は、年1回程度、天井点検口からのぞける範囲で確認されれば良いです。


②屋根・外壁・開口部

屋根、外壁、開口部は、特に雨仕舞(※4)に注意が必要です。
部材に、亀裂やひび割れ、などの欠陥と、部材間の接合部に欠陥があると、トラブルになりやすいです。特に開口部周りは雨水の侵入による問題が、多数発生するので、気を付けましょう。


※4 建物で傾斜やつなぎ目がある部分に雨水が上から下にきちんと流れる道をつくる、仕組みのこと。


■屋根

ずれ、はがれ、サビ、浮き、われ、雨漏り、変形などが主な点検項目です。
ここで、屋根は、日本瓦(粘土系)、スレート瓦、板金(トタン、ガルバリウム鋼板(※5))が主なものです。

この頃は、季節ごとや台風・地震の直後に、少し離れた場所から自分の目で見て確認したら良いです。また、飛来物の状況を確認するとよいです。


■外壁

割れ、サビ、欠損、剝がれ、シーリング材(防水材)の破断などが主な点検項目です。
ここで、外壁は主に、外壁板金と外壁サイディング、モルタル、タイル、「ALC」という外壁材があります。この頃は、主な汚れを年1回程度は、ブラシなどで水洗いをお勧めします。


■雨樋

破損、詰まり、はずれ、ひび、軒樋の垂れ下がり、が主な点検項目です。
この頃は、季節ごとや台風・地震の直後に、離れた場所から目視して確認すると良いです。
また、飛来物の状況を確認すると良いです。


■軒裏

腐朽、雨漏り、はがれ、たわみ(反り曲がること)、ひび割れが主な点検項目です。
この頃は、雨樋と同様に確認すると良いです。


■開口部

建具周辺の隙間、建具の開閉不良などが主な点検項目です。
この頃は、表面・レールの汚れは1ヶ月に1回程度、掃除をお勧めします。


■バルコニー

腐朽、雨漏り、はがれ、たわみ、ひび割れが主な点検項目です。
この頃は、軒裏と同様に確認すると良いです。


■天井・内壁

天井面・内壁面が主な点検項目です。
この頃は、年1回程度、天井・床下点検口からのぞける範囲で確認されれば良いです。


③設備

主な設備が、いわゆる「水回り」です。
水のトラブルが起きるときは、たいてい漏水が原因です。
建築して、浅い月日での不具合が生じるときは、特に水回りに注意しましょう。


■配管設備

給水管の漏水、赤水、供給流量の不足などや、排水管の漏水、排水の滞留など、そして、換気ダクトの脱落などが主な点検項目です。
この頃は、年1回程度、先にお話した、天井点検口や床下点検口から水漏れ箇所がないかを、音の確認など中心に確認して、あれば直ちに補修することをお勧めします。



築11年~築20年程

築11年~築20年程

この頃は、明確に劣化が始まる時期とは言えませんが、状況を確認すると徐々に部分的に、始まる時期に差し掛かります。その上で、劣化箇所の補修内容もそれぞれにかわってきますので、それの代表的な補修工事を紹介します。


①構造躯体

■床下

防腐防蟻処理

点検は、10年目まで行ったように同じ目視で確認します。1年に一度程度行います。
その上で、劣化箇所を補修するケースで主なものとしては、防腐防蟻処理を床下空間に露出している部分に行うパターンです。

使用している薬品は5年~10年で防腐・防蟻処理の効果を発揮します。

特に、シロアリが現れると、餌として床下の木材を中心に、食べられるケースが増えてきます。その時に、その範囲がいったいどのくらいのものか確かめる必要があります。
そのため、専門業者に確認してもらい、報告書にして、まとめます。そこで劣化の程度や範囲を図示して、提出してから初めて補修方法が分かります。


■床組み(※1)

床組み

点検は、10年目まで行ったように同じ目視で確認します。その上で、交換が必要と判断できたら、改修工事を想定のうえ、劣化の部分(大引、根太など)の新規交換をお勧めします。


■軸組み(※2)

軸組み材

床組みと同様に、点検は、10年目まで行ったように同じ目視で確認します。ここも、床組みと同様に、交換が必要と判断できたら、改修工事を想定のうえ、劣化の部材の交換をお勧めします。


②屋根・外壁・開口部

<屋根>

点検は、基本的に、10年目まで行ったように同じ目視で確認します。
どんな屋根材でも、耐用年数を最大限まで引き上げるためには、良い状態を保って、続かないといけないため、点検を必要とします。

屋根の修理がいつ頃必要なのか知っておくと、お家の点検で、きちんと計画を立てられ、急に必要になったときも慌てず対処できるようになります。


■屋根板金(トタン屋根)

屋根板金(トタン屋根)

トタンは昔からありますが、通称「瓦棒」と言われて、導入はしやすいですが、耐久性が弱く、金属なので錆びやすいといったデメリットがあり、こまめなメンテナンスをしなければなりません。

こちらは10年~20年の耐用年数です。
それに合わせて、メンテナンス時期が10年~15年なので、早い時期に直すことをお勧めします。

補修方法としては、塗装や錆取りなど、起きた箇所を部分的に改修することをお勧めします。
何度もメンテナンスとして塗装や錆取りを行うとお金がかかってしまう為、将来的なトータルコストを考えた場合、トタンではなくガルバリウム鋼板を選び、メンテナンス回数を減らすのがお勧めです。


■屋根板金(ガルバリウム鋼板※5)

最近では、板金の素材が、ガルバリウム鋼板を使用することが増えてきています。
ガルバリウム鋼板の特徴は、サビにくい、熱が反射しやすい(遮熱効果や耐熱性)、軽い、耐久性が高いなどです。

このような特徴は、鋼板に対してアルミや樹脂などの塗装が施されており、これらの保護材(塗装やアルミなどの層)によって軸となる鋼板が守られているので、高い耐久性を保つことができます。

ただし、このような性能の高い屋根材は、費用が比較的高くなります。
性能が高い分、耐用年数は20年~30年なので、メンテナンス時期も20年~30年となります。


■スレート瓦(カラーベスト)

スレート瓦(カラーベスト)

「スレート瓦」とは、屋根専用に板状・波板状に作られた屋根材のことを指し、施工もしやすく、比較的に費用も安く済ませることができるため、新築時に多く使われています。

しかし、スレート瓦自体は薄く加工されているため、しっかりとメンテナンスを定期的に行わなければ、色あせ、屋根材の位置がずれる、割れる、欠ける、など劣化現象が表れてきます。

スレート瓦は耐久性が弱く、こまめに点検を行わなければ、雨漏りが発生し、屋根を作る素材の屋根材、防水シート(ルーフィング)、野地板などにも影響を与えて、屋根を丸ごと新しい素材に交換する修理工事が必要になる場合もあります。


■日本瓦(粘土系)

日本瓦(粘土系)

日本瓦、いわゆる粘土系の瓦は、原料に粘土が使用されており、粘土で瓦の形を作ってから窯で焼きます。

「釉薬(うわぐすり)」といったガラス質の粉末を塗り、光沢を出したり水などの液体の染み込みを防ぐ効果を持たせてから焼きます。釉薬を塗った後に焼き上げた瓦のことを「陶器瓦」、釉薬を塗らずに焼き上げた瓦のことを、「いぶし瓦」と言います。

釉薬を塗るか塗らないかでも瓦の品質が変わってくるのが、粘土瓦の特徴です。
陶器瓦は、色合いが釉薬によってかわり、メンテナンスは半永久的に不要で、耐用年数は、50年~100年になります。

いぶし瓦は色合いがグレーで、メンテナンスは30年~50年で交換が必要になり、耐用年数は、30年~50年になります。


■防水シート

防水シート

防水シートとは、屋根材(スレート瓦、ガルバリウム鋼板、日本瓦など)の下に敷かれている雨水を防ぐための特殊なシートです。防水シートの下には、野地板と呼ばれる屋根の下地材が入っています。

防水シートは、雨漏りを防止するために、非常に重要なものです。通常であれば屋根材によって雨水がふさがれていますが、屋根材が割れたりズレたり何らかの不具合が生じると、屋根材の下に雨水が流れこみます。
防水シートは、屋根材で抑えきれなかった雨水を、建物内に侵入させないようにする、雨水ストッパーです。

屋根に何の問題もなく過ごせていれば、防水シートにも影響がないですが、屋根に何らかの不具合が出ている場合は、防止シートにも必ず何かしらの影響が出ており、腐食や破けが起こって雨水が建物内に侵入するようになっています。

誰もが屋根だけに目が行きがちですが、屋根は一次防水と呼ばれる防水層の一層目であり、二次防水としての防水シートが雨水を防いでくれています。
屋根材だけでなく、防水シートも非常に重要なことです。


■野地板

野地板

「野地板」とは、屋根材を置くための木製の下地材であり、「垂木(たるき)」と呼ばれる建物構造を作るために組まれた屋根の部分に貼られています。

厚みもいろいろありますが、厚ければいいというわけではなく、厚いとその分重さが出てしまうので、建物に負担がかかってしまいます。

また、太陽光パネルなどの取り付けをするときは、厚さ12ミリ以上が良いと思います。
野地板に太陽光パネルを取り付けるときは、釘やビスで固定します。そのために注意することは、野地板に厚みがないと、釘やビスの穴から野地板が壊れたり、釘やビスの穴から雨水の侵入があると思うので気を付けましょう。


<外壁>

■外壁板金

外壁板金

色褪せ(チョーキング)、金属のさび、はがれ、シーリング材の破断など改修箇所がわりとはっきりしています。


その補修方法としては、塗装工事、張り替え工事、シーリング材の打ち替え工事などをお勧めします。


目安として、10年目でシーリング材の打ち直しが目標になります。
そして、11年目からの対処方法で長持ちするか、どうか分かれてきます。


具体的には、塗装工事だと使う塗料のグレードにより、その後の耐久性が変わってきます。
アクリル塗装が5~8年、ウレタン塗装が7~10年、
シリコン塗装が10~15年、ラジカル制御型塗装が12~15年、
光触媒塗装が12~20年、フッ素塗装が15~20年、


などが主な塗料の種類ごとの耐用年数です。


張り替え工事では、使う材料により、例えば、ガルバリウム鋼板のグレードが決まり、その耐久性も変わってきます。また、見た目を替えていくご要望のある時期もこのタイミングなので、慎重に検討することをお勧めします。


■外壁サイディング

外壁サイディング

使われている外壁の素材により、劣化の状況が変わってきますが、主なものとしては、カビやコケ、藻の付着、色褪せ、留め具(金具)のゆるみ、表面材のはがれ、ひび割れ、シーリング材の破断などがあります。


その補修方法としては、塗装工事、張り替え工事、シーリング材の打替え工事などをお勧めします。


張り替え工事の、種類別のメンテナンス周期の目安は、
窯業系サイディングが8~10年、金属系サイディングが10~15年、
木質系サイディングが3~10年、樹脂系サイディングが10~20年、
タイルが約20年、ALCが10~15年、モルタルが8~10年になります。


これらの耐用年数は、
窯業系・金属系サイディングが20~40年、
木質系サイディングが15~40年
樹脂系サイディングが20~50年
タイルが30~50年、ALCが30~40年、モルタルが30~40年です。


ここで、外壁の塗膜の耐用年数は、外壁材の耐用年数をこえることはできません。
外壁材が劣化をしている場合は、外壁塗装のみでメンテナンスを行うことはできず、外壁材自体のメンテナンスも同時に行う必要があります。


重ね貼り工事もありますが、メリットとしては、家に住みながらリフォームできる点や工期が短いといった点がありますが、デメリットとしては、重量が増えることで、耐震性が低くなる点と、金属系のサイディングで重量を増やさないために好みが限定されるという点があります。


この点が、ポイントだと思います。


目安として、外壁板金と同様に、10年目でシーリング材の打ち直しが目標になり、11年目からの対処方法も同様です。


■雨樋

点検を10年目まで行ったように同じ目視で確認します。
一部、脱落、樋のつまりなどが主な点検項目です。起きた箇所を劣化部として、すべて交換と固定金具の更新をお勧めします。


■軒裏

点検を10年目まで行ったように同じ目視で確認します。
雨漏り、シーリング材破断などが主な点検項目です。起きた箇所を劣化部として、新規部材交換をお勧めします。


<開口部>

点検を10年目まで行ったように同じ目視で確認します。
建具周辺の隙間、建具の開閉不良などが主な点検項目です。起きた箇所を劣化部として、一部、サッシ新規部材を交換することをお勧めします。


<天井・内壁>

​​​​​点検を10年目まで行ったように同じ目視で確認します。
雨漏り、壁体内結露が主な点検項目です。劣化により、改修することを前提として解体後、劣化部は全て補修することをお勧めします。


③設備

■配管設備

配管設備

給水管

点検を10年目まで行ったように、天井点検口や床下点検口から目視で確認します。
ここで、新しく配管をするときの一例として、新たな工法をご紹介します。


給水管には、「給湯給水サヤ管ヘッダー工法」という方法があります。


従来の分岐配管方式の工法と比較して、「ヘッダー」と言われる集約した分岐配管を、お家の床下、天井裏などに設けて、予めヘッダーから各給水栓までタコ足状に敷設したサヤ管(※6)に、後から樹脂管を通管する工法をいいます。


※6 傷つきやすい合成樹脂管を守るための保護管のこと。色の種類は、ブルー:給水用とピンク:給湯用の2種類がある。


次のような数々の優れた特徴があります。
・配管作業や点検、更新が簡単
・施工中の釘打による漏水、流体管の潰れを低減
・配管の接続数の減少による漏水などのトラブルの低減
・複数の給水同時使用による流量変化が少ない
・配管の結露の発生を防ぐ


この方法を参考に、検討することをお勧めします。


排水管は、配管の不具合が確認できたら、解体することを前提に、新規交換をお勧めします。
排気ダクトは、同じく配管の不具合が確認できたら、解体することを前提に、改修部を新規換気ダクトに交換することをお勧めします。


ここまでは、あくまでもお家全体におこることではないですが、できる限り部分的に不具合箇所がわかれば、早めに対処することをお勧めします。



築21年~築30年程

築20年~築30年程

この頃は、これまでの劣化の出てくる箇所が徐々に増えてきて、見た目にも「そろそろ直そうかな」と考える方が、増えてくる年数になります。


早めに検討していけば、そのぶん直す箇所が抑えられ、全体として費用が少なくて済むことにも繋がってきます。
反対に、年数を重ねれば重ねるほど、大がかりなことが必要になってきて、費用もかさみます。


このように築年数を三分割して、傾向と対策をお話しました。
具体的に注意するべきことの、補足説明になりますが、以下のように考えております。


・地震時や台風時のあとは、点検の時期にかかわらず臨時点検を行う。
・各点検の結果を踏まえ、必要に応じて、調査、修繕、または改良を行う。
・構造躯体などの劣化対策について、新築と異なる基準を適用した場合に、1年ごとに点検を行い、点検の結果を踏まえ、劣化現象が認められない場合に、点検の間隔を徐々に伸ばすものとする。
・各点検において、劣化の状況などに応じて適宜、維持保全の方法について見直すものとする。
・計画の変更があった場合、必要に応じて維持保全の方法の変更を行う。


このお話は、お家が、人と同じく「成長する」ということに似ていて、時間とともに変化していきます。


細かな手立てを先に知ったうえで、対処することが、長い年数、悩まずに暮していくコツではないかと思います。


いろいろな対処方法を書き出しましたが、すべてがあてはまることもありません。また、これら以外のことは起こる可能性も少ないので、これらを知っておくことが大事かと思います。


長い人生の、住まいの悩みを極力少なくできることを願い、みなさまの、より恵みある人生のお役に立てればと切に感じます。

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