吹き抜けのある家は、開放感があり魅力的ですよね。しかし、冬になると「どれだけ暖房を入れても部屋が寒い…」と感じている方も多いのではないでしょうか。
「吹き抜け自体は気に入っているけれど、冬だけは塞ぎたいなあ」と、寒さと吹き抜けの魅力との間で葛藤することもあるでしょう。
そこで本記事では、吹き抜けによる冬の寒さに悩む方に向けて、吹き抜けを冬だけ塞ぐことができるのかについてや、吹き抜けを塞がずにできる寒さ対策、リフォームで吹き抜けを完全に塞ぐメリット・デメリットについて解説していきます。
吹き抜けを冬だけ塞ぐことは可能です。簡易的な方法として、DIYにて断熱材や厚手のカーテンなどを設置すれば外気が住宅に入るのを防ぎ、室内温度を保ちやすくなります。窓用の断熱フィルムを取り付けると、さらに効果的に冷気の侵入を防ぐことも可能です。
しかしこれらの方法には限界があり、完全に冬の寒さを防ぐことはできません。長期的に寒さ対策を行いたいのであれば、専門家であるリフォーム業者に依頼して、完全に吹き抜けを塞ぐことを検討した方がよいでしょう。
吹き抜けを一時的にではなく、リフォームで完全に塞いだ場合、新たに生まれたスペースは有効活用できます。
例えば、収納スペースとしての活用です。リビングや寝室の上部にあった吹き抜けを塞いだ場合、そこをウォークインクローゼットや収納棚として使用することで、家全体の収納力が高まり、すっきりとした空間になります。
リモートワークを行っている場合は、吹き抜けを塞いでできたスペースをホームオフィスや小さな書斎にするのも選択肢です。落ち着いて仕事や趣味に集中できる環境が整うので、生活と仕事を両立しやすくなるでしょう。
また、家族構成の変化に合わせて、子供部屋や遊び場としての活用もできます。子どもが自由に遊べる空間を増やすことができます。
リフォームで吹き抜けを塞ぐメリットは以下のとおりです。
●エアコンの効率が上がるため電気代を節約できる
●活用できるスペースが増える
●生活音が響きにくくなる
それぞれ解説します。
吹き抜けを塞ぐことでエアコンの効率が上がり、電気代を節約できます。
吹き抜けは開放感がある反面、空間が広がるため、冷暖房の効きが悪くなることがあります。夏場の冷房や冬場の暖房では、エアコンが効くまでに時間がかかり、部屋がなかなか冷えたり暖まったりしにくくなるわけです。
しかし、吹き抜けを塞ぐことで空間がコンパクトになり、冷暖房の効率が上がります。エアコンの稼働時間も短く済むため、電力消費が抑えられ、電気代の節約につながります。冷暖房の効きが悪いと感じている方や電気代が気になる家庭には、大きなメリットと言えるでしょう。
吹き抜けを塞ぐことで、住宅内の活用できるスペースが増えるのも大きなメリットです。広がったスペースを利用して、部屋や収納を新たに設けることができます。
スペースが増えれば、ライフスタイルの変化や家族構成の変化にも柔軟に対応できるので、より快適に過ごせるようになるはずです。
どのような活用ができるのかはそれぞれの状況によっても異なってくるので、まずは専門家に相談だけでもしてみることをお勧めします。
吹き抜けがあると、下の階での話し声やテレビの音が上の階まで響きやすく、家族全体の生活音が気になることが少なくありません。
しかし、吹き抜けを塞ぐことで、新たに設置された床が音を遮断してくれるので、生活音が響きにくくなります。上下階の音が響きにくくなれば、プライベートも確保されやすくなります。
今「吹き抜けでリビングの音が寝室に響いて眠れない」など、家族間での音の問題が気になる場合には、吹き抜けを塞ぐリフォームを検討してみてもよいでしょう。
吹き抜けを塞ぐリフォームには多くのメリットがありますが、それ以上に注意すべきなのがデメリットです。
リフォーム後に「やっぱりやらなければよかった…」と後悔しないためにも、吹き抜けを塞ぐことで発生するデメリットをしっかりと理解しておくことが大切です。
リフォームで吹き抜けを塞ぐデメリットは以下のとおりです。
●開放感が失われる
●採光性の良さが失われる
●リフォーム費用がかかる
それぞれ見ていきましょう。
開放感を求めて吹き抜けにする家庭も多いですが、リフォームで吹き抜けを塞ぐとその開放感を失ってしまいます。実際に吹き抜けを塞いだ後「部屋が狭く感じるな…」と後悔するかもしれません。
リフォームを検討するときは、吹き抜けを設けていないモデルルームを内覧してみたり、VR内覧を活用したりして、自身がどう感じるかを確認してみるとよいでしょう。
吹き抜けメリットである採光性の良さも、リフォームで吹き抜けが塞がることで失われます。多くの吹き抜けには、天井近くに窓が設けられており、自然光がたっぷりと入り込むため、下の階も明るい空間が保たれます。しかし、吹き抜けを塞ぐと新しく設置した床で、下の階に光が届かなくなるため、暗く感じるかもしれません。
また、元々吹き抜けの採光性を前提として設計されているため、吹き抜けを塞ぐと光の取り入れ方が大きく変わり、昼間でも照明が必要になる場合があります。
吹き抜けを完全に塞ぐには、リフォーム工事が必要となるため、その分費用がかかります。
リフォームの内容や規模によって費用は異なり、大規模な工事になるほど費用は膨らみます。予算内で吹き抜けを塞ぐために、リフォーム業者に相談して見積もりを作成してもらうことが大切です。
また、リフォーム業者に相談・依頼する際、先に予算を伝えておけば予算内でできるリフォームの計画を提案してもらうこともできます。そのため、相談する前にあらかじめリフォーム費用としてかけられる予算を算出しておくとよいです。
リフォームで吹き抜けを塞ぐ際は「建築確認申請」が必要になるケースがあるため、事前に確認しておくことが大切です。
建築確認申請とは、増築や大規模なリフォームを行う際、その工事が建築基準法や市町村の規定に適合しているかを確認する手続きのことです。吹き抜けを塞いで床面積が増える場合は増築とみなされ、申請が必要になることがあります。
特に、10㎡を超える増築を行う場合や防火地域・準防火地域においては、床面積に関係なく申請が必要になることがあるため確認が必要です。
一方、ロフトを設ける場合には、建築確認申請が不要となるケースもあります。ロフトは条件次第で増築として扱われないため、床面積を増やしたことにならずに、スペースを増やせるかもしれません。ただし注意したいのは、ロフトに関する基準は地域によって異なる点です。リフォーム前に自治体のルールを確認しておくことが重要です。
リフォームによって増築と見なされると、固定資産税が上がる可能性もあります。固定資産税は、建物の床面積に基づいて計算されるため、吹き抜けを塞いで床面積が増えた場合、税額も増加することがあるのです。なかでも、住居を骨組み状態まで解体してリフォームを行う「スケルトンリフォーム」のように大がかりな工事では、増税対象になることが多いです。
また、吹き抜けを塞いで新たに床を設ける場合、床が十分な耐荷重性能をもつかどうかも確認しておきましょう。特に、家具や重量物を置くことを考えている方は、注意が必要です。
吹き抜けを冬だけ塞ぐことはできますが、寒さ対策としては不十分だと言えます。そのため、きちんと冬の寒さを防ぎ、より快適に過ごしたい方は、リフォームを検討するのも一つの選択肢です。
しかし、リフォームで吹き抜けを塞ぐことには、メリットだけでなくデメリットもあります。今回の記事で解説したメリット・デメリットや注意点を参考に、自身に合った方法を選びましょう。
もしリフォームで吹き抜けを塞ぐことを選んだ方、そもそも塞ぐべきかどうか決めきれないという方はぜひ石友リフォームサービスにご相談ください。豊富な実績をもったスタッフが実際の事例をご紹介しながら実現可能なプランをご提案します。
もちろんご相談だけでも大歓迎ですので、お気軽にお問い合わせください。