『陰翳礼讃』(いんえいらいさん)は、谷崎潤一郎の随筆で
関西に移住した谷崎氏が日本の古典回帰に目覚めた時期に記されたものです。(昭和14年刊行)
西洋の文化では可能な限り部屋の隅々まで明るくし、陰翳を消す事に執着したが
いにしえの日本ではむしろ陰翳を認め、それを利用することで陰翳の中でこそ映える芸術を作り上げたのであり、それこそが日本古来の美意識・美学の特徴だと主張しています。
こうした主張のもと、建築、照明、食器、はては能や歌舞伎の衣装の色彩など、多岐にわたって陰翳の考察がなされています。
富山県砺波市にあります、石友リフォームサービス砺波店 工事課の瀬戸です。
いきなり、随筆の話から入りましたが、この本、実に面白いです。
私たちが手掛けるリフォームにも、和風の美意識を求める場合は参考になるでしょうが、何より谷崎氏のこだわりが面白いのです。
電気ストーブが普及し始めた当時、囲炉裏を作り、費用をかけて電気炭を仕込んだ話しがあります。
座敷に電化製品を置いたときの電源コードやスイッチを隠す事に苦慮した事など、「そこまでこだわますか?」と思います。
でも、生活スタイルに合わせたリフォームも、こだわりの中からより良い物が生まれるのは確かな事です。
座敷主体の伝統家屋には、陰翳礼讃に記される日本の美意識があり、良さを再発掘した上で活用したリフォームが出来ればと思います。
コラムVol.544 の睡眠の質を上げる照明などは、昔の日本家屋には必然と備わっていました(笑)。
余談ですが、大ブームの鬼滅の刃ですが、日本の美意識と世界設定も陰翳礼讃の時代ですね。
建築、照明の観点からも、もちろん文学としても読んでみて欲しい一冊でした。
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