こんにちは!
今回は「ひとつのこだわり☆」の2回目
「空きスペースの有効活用」
です。
このお客様とご相談のお話しをさせていただいたのは、今から13年前になります。
このお話しがどの点が「ひとつのこだわり☆」なのかと言えば、きっかけが
「定年を迎えて夫婦2人の生活になるので、この機会にセカンドライフの充実をはかりたい!」
というご要望がよくあります。
その際にご夫婦の交友関係が広く、奥様のご趣味の習い事やご主人が少年野球の監督だったこともあり、引退されるまでは、父兄さんやご友人との交流が活発で、セカンドライフの中心は
「交友関係をいかせる大勢の人が集まれる場所をつくりたい!」
「自分なりの趣味の時間を大切に、自宅でくつろげるスペースを確保したい!」
で、お互いに明確なビジョンがおありでした。
それを実現するために、必要なスペースがそれぞれの好みにあわせて確保しなければ成立せず、その具体策が見えてきました。
それが
「母屋と続いている別棟の2階建ての建物で、1階は大広間の和室で約12帖くらいのスペースをつくりたい!」
そして、
「2階は奥様が寝起きもできるベットルーム、兼趣味の部屋をつくり、そこでくつろぎたい!」
でした。
リフォームの「ひとつのこだわり☆」にあげさせてもらう例は、これを実現するときに工事のポイントになる
「片づいていない、大きな土間コンクリートのスペースを室内の部屋につくりかえたい!」という例をご紹介いたします。
リフォームのきっかけはお話しましたが、その計画段階では、工事の段取りとそのポイントを考える必要があります。
とくに大空間を理想と考えられるとしたら、ポイントは大きな部屋の施工上の条件があります。
まずは原則として、部屋のたてよこのサイズが、1方向だけは守らないといけない数値がある!ということです。
具体的には縦長の部屋、そのサイズが1方向で、約3.6m(建築のよく使われる標記で3636mm)を守らなければ安全に部屋を保てないということです。
どういうことか、ご説明いたします。
木造でも鉄骨造でも、部屋をつくるときは必ず天井をつくらないといけません。
部屋を大きくしたいときは、当然天井もサイズの大きなものになっていきます。
そうした場合、重力の関係で天井材の真ん中がさがってきて、支えのある端と端の間をある程度保たないといけません。そのサイズが約3.6mなのです。
具体例でご説明いたします。
●間取り図(1)
この6畳間のサイズは、縦 2.7m 横 3.6m
ですので、この間取りは成り立ちます。つまり安全性があります。
次の間取り図(2)では、和室やLDKはそれぞれ、縦長の部屋になっています。
サイズは、
〇和室 縦 4.09m 横 3.18m
〇LDK(13.5帖)縦 5.45m 横 3.18m
+縦 2.27m 横 2.27m
●間取り図(2)
これは、和室の縦4.09m、LDKの縦5.45mと、ともに3.6mを超えますが、
その長さの壁には、柱が入って天井材の端の部材を支えています。
ですので、これも成立します。
次の間取り図(3)は気をつけていかないとなりません。
〇LDK(17帖)縦 5.45m 横 4.54m
+縦 0.90m 横 1.81m
+縦 3.60m 横 0.90m
になるので、縦 5.45m × 横 4.54m のところが「天井が下がりやすく、安心できる作りになっていない」ということになります。
では、このような間取り図は成立しないのか?と疑問に思われると思います。
答えとしては、例外として2つのことが言えますが、まずこの間取り図には出ていないことからご説明します。
1つ目は、3.6mのところに柱、または袖壁を設けることです。
リフォームでは間取り修正のために、部屋の床、壁、天井がスケルトン状態に戻していくことがあります。その時に下がりやすい天井のところ、すなわち壁から3.6m四方、空間の続くところに柱や袖壁を設けることで、天井からの荷重を分散させ下がることを防ぎます。
もう1つは、間取り図とおなじく、柱も袖壁もない例です。
そのときは、梁の高さが高く仕上がっているケースです。
具体的には、通常だと天井の仕上がりが水平に出来上がっていますが、梁の背(高さ)を高くすると天井の仕上がりが、必要なところだけ下に出っ張るように出てきます。
そこを意匠的には、木材として見える形にしたり、またクロス材で仕上げるように、例えると「木材に似させたクロス」になるように完成させたりします。
最初に見てきた「大広間をつくりたい!」というご要望は
〇10帖の畳と2帖の板の間
〇3.6mに収まるような細長い大広間
として完成しました!
今回は「空きスペースの有効活用」で紹介させていただきました。
こちらのような「大空間」を希望される方は、お近くの石友リフォームサービスにお問い合わせください!
いろいろなご提案をさせていただきますので、期待できると思います!