こんにちは!
今回は「リフォームの快適提案!」の「屋根」の2回目になります!
前回、耐久性の高い3つの材質として、
「和瓦・スレート瓦・金属製瓦」を挙げさせてもらいました。
そこからその下地から組み合わせを踏まえて、屋根材ごとの寿命をお伝えしたいと思います。
「和瓦」とは、粘土質の土を瓦型にして焼いた陶器瓦で、特別なメンテナンスをしなくても60年以上と言われる高い耐久性をもっています。
でも、
衝撃により割れやすい、古くなると留めている釘の劣化により強風時にズレたり飛散したりしやすいなど、デメリットも多くあります。
*屋根瓦の外れた後
こうした瓦の損傷時に下地のルーフィングによる防水が不可欠にあるため、瓦の寿命よりルーフィングの寿命を意識する必要があります。
ルーフィングは寿命となると交換することしかありませんが、そのため仕上げの瓦をいったん降ろさないといけません。
その際、
降ろした瓦を再び載せるのを「葺き直し」
新しい屋根材に交換するのを「葺き替え」と言います。
*葺き替え
同じ瓦に仕上げるなら、葺き直しの方が瓦の処分と材料費がかからない分、費用を抑えることができますが、葺き替えの場合は瓦以外のローコストな屋根材に変更することも可能です。
瓦は重い屋根材ですが、これを金属製の軽い屋根材に葺き替えることで地震の際に建物に加わる衝撃を軽減させることができ、耐震性を向上させる効果も期待できます!
*金属製屋根材への葺き替え
*スレート瓦
スレート瓦は、セメントを平板や瓦型にして固めたもので、塗装した形で、寿命は20~30年程度と言われています。
1990年代までのアスベストを含有したものは耐久性に優れているものも多く、30年を超えても健全な状態を保っている場合もあります。
90年代半ばからアスベストを含まないノンアスベスト製品に変更されましたが、アスベスト含有時代に比べると耐久性に劣る商品が一時流通して、20年程度で葺き替えが必要になる場合もあります。
屋根材がしっかりしていれば塗装することも可能ですが、屋根材の延命というよりも、主にコケやカビなどを除去し退色を防ぐという美観を保つことが目的です。
また、頂部には「棟板金」と呼ばれる金属部材が使われているのが一般的ですが、それが強風などで飛散する事故も多く発生しているため、10年~15年を目安に棟板金の交換をしておくと安心です。
*棟板金:交換目安は10年~15年
このように、屋根材と下地のルーフィングの寿命をトータルで勘案すると、20年~30年の間に葺き替えを行うのが望ましいと言えます。
アスベスト含有品を撤去する際には処分費が割高になりますが、下地が健全ならカバー工法という、今ある屋根材を残して新しい屋根材を被せる割安な方法を選択することも可能です。
まだ使えるうちに屋根材を交換するのはもったいないと思われるかもしれませんが、限界まで使って雨漏りを発生させてしまったら、下地の修理代が加わるだけでなく十分な検討もできないままに焦って工事を発注してしまうなど、結果的に高くつく場合が多いのです。
*金属製瓦
金属製瓦は、昔はトタンと呼ばれる材質が一般的で、鉄板に防錆のための亜鉛メッキが施されています。
トタンの劣化の原因は錆ですが、この亜鉛メッキが傷むと錆びやすくなるため、一般的には10年目までには最初の塗装をして、以後5年~8年ごとに定期的に塗装を行うことで錆びを防ぎ、延命していくことができます。
90年代からはガルバリウム鋼板が主流となり、亜鉛に加えてアルミとシリコンのメッキを施すことで、トタンより錆に強い材料となりました。
ガルバリウム鋼板のメッキの寿命は25年程度とも言われていて、15年目頃より塗装によるメンテナンスを行っていればより安心です。
金属製瓦は、丁寧に塗装を行うことで錆から守り長持ちさせることができますが、やはり下地のルーフィングの寿命に合わせて30年程度が葺き替えの目安となります。
こちらも下地が健全なうちは、今ある屋根材を残したまま上から新しい屋根材を残したまま上から新しい屋根材をかぶせる重ね葺きやカバー工法など、割安な方法を選択することができます。
*屋根のカバー工法
リフォームで金属製瓦を採用するときは、2016年に登場したスーパーガルバリウム(SGL)鋼板がお勧めです。
こちらはガルバリウム鋼板を更に耐久性を高めたもので、より長寿命となっています。20年目頃から塗装によるメンテナンスを行っていけば、建物の寿命と共に相応の耐用年数が期待できます。
このSGL鋼板を使用する場合は、超高耐久な屋根材の寿命に合わせて、下地のルーフィングも超高耐久仕様にしておきたいところです。
ここで1つ金属製瓦の注意点として、金属は沿岸部では、特にサビやすい性質があることにご注意ください。このため沿岸部にお住まいの方は、目安の時期よりも短い間隔で塗装によるメンテナンスを行うことをお勧めします!
今回は、それぞれの屋根材の特徴をお伝えしましたが、概ね「屋根の寿命は30年!」と言えそうです。
20年を過ぎた頃から天井の雨漏りあとに気を付けて、30年を迎えるまでには葺き替えると考えておくといいでしょう!
*天井の雨漏り
また、今は下地のルーフィングにも耐久性の高いものが開発されて、屋根材と下地材を上手に組み合わせることで、葺き替え後はより長寿命な屋根にすることが可能です。
あと何年、この家に住むのか?
という計画とともに予算に合わせて、ルーフィングと屋根材の組み合わせを慎重に検討しておきたいところです。
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